飛距離アップはテークバックで真っ直ぐ引くよりコックを活用

最終更新日:2017/07/05

ドライバーショットの目的は飛距離を稼ぎたいことです。

同時に曲げたくないためにテークバックでは真っ直ぐ引いて、ダウンスイングで真っ直ぐ当てようとするものです。

でも上手にコックが使えたら、軽く振っても遠くに飛ばすことができるようになります。

コックを固めてもテークバックで真っ直ぐ引くことができる?

そもそもコックとは左手の形のことを言います。
コックとは左手を握り真っ直ぐ前方に伸ばして、親指を上に立てた形のことを言います。
でもセットアップでボールの後ろにヘッドを置いた状態では、このコックが完成した形にはなれません。
親指と腕が90度の直角になっていたら、シャフトは地面と平行になり、クラブヘッドは空中に浮いた状態になってしまいます。
つまりテークバックで真っ直ぐに引く時点ではコックはできていないのです。

ということは再現性を求めるインパクトの時点でも、コックは必要ないと言うことになります。

では、どこの時点でコックが必要なのでしょう。

コックを使うタイミングは、テークバックで飛球線に対して真っ直ぐ引くとき、クラブヘッドをボールの後ろにセットしたときの2つがあります。

テークバックでコックを作るときの2つの方法

テークバックのときにコックを使うタイミングは2つあります。

1つ目のタイミングは、テークバックで飛球線に対して真っ直ぐ引いて、トップの位置までグリップを持っていきますが、トップの寸前でコックの形を作るときです。
これはもっとも多いコックの使い方で、スムーズな動きができるためスイングに取り入れやすいのが特徴です。

2つ目は、クラブヘッドをボールの後ろにセットして、初動でコックするか、左腕が地面と平行になったときです。

初動でコックするのは、腕を動かす前に左手甲を飛球線側に向けて、シャフトを地面と平行になるまで上げるとできます。
また左腕が地面と平行になるときは、グリップエンドは地面を指し、シャフトは真っ直ぐ空に向かって立っている状態です。

これだと最初にコックを固めることができるので、テークバックではブレないでトップの位置まで持っていくことができますが、真っ直ぐ引くイメージを取りにくいのが難点と言えます。

初めてコックを使うときは、テークバックの前にコックを固めてしまう、いわゆる「アーリーコック」の方が安心感はあります。
特に目で見えるところ(視界の範囲)でコックの形を確認できることから、スイング中にコックの形に注意する必要がなくなります。

一方で初動のときに左手の甲が表側に向くため、捻転がしにくくなることから、手打ちにならないように気をつける必要があります。

真っ直ぐ引くはずのテークバックでコックが必要な理由

テークバックのときにできる左手首の角度が、コックと呼ばれていると説明しました。
このコックは自然の流れでできるレイトコックと、初動で意識的に作るアーリーコックがあります。

実はコックにはもうひとつ、コックを使わないノーコックがあります。
例えばタイガーウッズの初期のスイングはノーコックで、ボールの方向性を重視したスイングのためにノーコックにしたのだと思います。

そこでノーコックについてもう少し掘り下げると、コックの必要性が分かりやすいと思います。

ノーコックはテークバックで真っ直ぐ引きやすいこと、グリーン周りのアプローチなどはノーコックにするとターゲットを狙いやすい、つまりコントロールしやすいことがメリットです。

一方でデメリットは手首を使えないことから、打ち出す角度をとることが難しく高いボールが難しい、飛距離を望めないのでヘッドスピードの速さが必要と言うことが挙げられます。
コックを使うことでスナップを生かすことができる、つまりヘッドスピードを上げることができると言うことです。

テークバックでコックを固めるときのポイントとは

ではコックを作るときに気をつけるポイントを確認します。

アーリーコックとレイトコックでは、テークバックでのコックのタイミングが全く違ってきます。

アーリーコックは、クラブヘッドを置いてスイングが始まるときにコックを固めるので、基本的には自分の目でチェックできるため、コックを固めやすい方法です。
腕を上げる前にヘッドを右方向に動かすことでコックを作りますが、このとき連動して腕を動かしていくことがポイントです。

コックを固めてからスイングを始めるローリングは、テークバックの時に捻転がしづらくなるため、できれば避けたい方法です。

レイトコックは、トップの位置にかかる寸前にコックが完成する方法です。
これだとテークバックでヘッドを真っ直ぐ引くことができるため、スイングのイメージを作りやすいのがポイントになります。

ただしテークバックの途中で形を作っていくことから、捻転とコック、それにトップの位置と、注意しなければいけないポイントが増えることから、複雑なスイングになることが予想されます。

特に気をつけたいのはオーバースイングです。
レイトコックはトップの位置で完成することから、視線を向けることはなく感覚だけが頼りになります。
より高いトップ、十分な捻転を意識し過ぎると、手首が返りオーバートップになりやすいので注意が必要です。

テークバックで真っ直ぐ引くことがネックになっている

テークバックを真っ直ぐ引くにためにはノーコックがオススメです。

ヘッドを真っ直ぐ引くのはスクエアにインパクトしたい、すなわちボールを曲げたくないということです。
ただしノーコックにすると飛距離を望めないので、シャフトやヘッドなどクラブの性能が重要になってきます。

その上でコックを使うのであれば、アーリーコックから始めた方が確実です。

一般的なプレイヤーは、アスリートのような筋肉を持っているわけではないので、テークバックでクラブを引きながらコックを固めていくのは肉体的に苦労するはずです。
またコックを作るときにマイナスとなるオーバースイング、またシャフトが正常な方向を向かずにクロスしてしまうことも気をつける必要があります。

それらのマイナス面をカバーしてくれるのは、最初にコックの形を作ってしまうことです。

ちなみに海外の選手はアーリーコックが多く、日本の選手はレイトコックが多いのは、テークバックで真っ直ぐ引かなくてはいけない、というイメージによるものだと思います。

身体が硬くてもコックがカバーしてくれる

ドライバーで遠くに飛ばしたいと思うのであれば、上手にコックを使うことで身体の硬さをカバーして飛距離アップを狙うことができます。
特に身体が硬くなり十分な捻転ができない、肩甲骨の可動域が狭くトップの位置をキープできないと感じたら、1度は自分自身をチェックすることをオススメします。

確認の方法は簡単です。

両腕を前に伸ばして手のひらを合わせます。
そのまま身体の中心軸を基点に右方向に円を描くと、どこまで回すことができるでしょう。
一般的には90度、身体の柔らかい人は100度以上回すことができます。

もうひとつ、パターの両端を握りそのまま頭上に掲げます。
鉄棒にぶら下がったような姿勢になったら、そのままパターを頭の後ろまで下ろします。肩の上に乗ればOK、頭の上にぶつかるようなら肩甲骨の可動域が狭くなっています。

日常の柔軟体操は大切なことですが、硬くなった身体を元の状態に戻すよりも、コックの使い方を覚えた方がはるかに早く飛距離アップができます。

ちなみにコックを上手く使うコツは、インパクトの少し前にあります。
身体の前でテークバックしてすぐアーリーコックを始めたときの位置まで下りてきた時に、飛球線と平行になっていたシャフトを真っ直ぐ垂直に変えるタイミングを覚えることです。

歳をとっても楽しめるゴルフをするために

上級者の中でもコックを上手に使える人は少ないようですが、使い方を覚えるとシルバープレイヤーであっても、飛距離で負けないゴルファーでいられるはずです。

スイングにも力みがなくなり、タイミングで振り抜くことができるようになるので、かえってミスは少なくなると思います。