ゴルフ場で見る赤杭/黄杭/白杭/青杭/それに沿ったラインは?

最終更新日:2017/02/25

ゴルフ場のコース内には、赤杭や黄杭、白杭や青杭が立っています。

仲間うちでワイワイとラウンドする人はあまり意識したことがないかもしれません。

でもそれらは意味無く立てられているわけではないのです。

会社のコンペやマナーやルールに厳しい人とのラウンド、キャディ付きゴルフをする場合は、それらの意味を知っていた方が良いでしょう。

ゴルフ場で見る赤杭と黄杭とは

ゴルフコース内にある池や小川など水のある場所とその周辺エリアに赤杭や黄杭、それらと同色のラインがあります。

赤杭(赤ライン)を「ラテラル・ウォーター・ハザード(Lateral Water Hazard)」と言います。

黄杭(黄ライン)を「ウォーター・ハザード(Water Hazard)」と言います。

どちらの場合もそこにボールが入った場合は、ゴルフ規則26に従って1打罰で救済を受けられます。

赤杭と黄杭での違いは、救済を受ける際にボールをドロップできる場所の選択肢にあります。

水のない場所でも場合によってはプレーをするのに相応しくないエリア(岩場やブッシュが多数ある場所)を、ゴルフ場がラテラル・ウォーター・ハザードに指定することもあります。

【赤杭】
①打ち直し
②ハザード・ラインを横切って入った点とピンを結んだ後方線上
③ハザード・ラインを横切って入った点から2クラブ・レングス内

【黄杭】
①打ち直し
②ハザード・ラインを横切って入った点とピンを結んだ後方線上

ただし、ウォーター・ハザードの方にボールが飛んで行っても、そこに確実にボールが入ったとは必ずしもいえない場合で、ボールが見つからない時は、入った確率がどんなに高くてもロストボール扱いになります。

 

ゴルフコースで赤杭や黄杭内のボールをプレーする時

ゴルフコースの赤杭や黄杭内のボールをプレー出来ると判断した場合、そのままプレーを続行できます。

注意して欲しいのが、通常のプレーとは若干異なるということです。

クラブを地面に付けることが出来ないし、ボールのそばにある落ち葉や小枝などハザード内のルースインペディメントを取り除くだけでなく、触れることすら許されません。

手やクラブが少しでも地面やルースインペディメントに触れると、2打罰が科せられるので要注意です。

しかし赤杭や黄杭内に生えている草などには手やクラブが触れたとしても罰は科せられません。

バランスを崩した時などに自分の身を守るために手やクラブを地面に付けても、その場合に限り、例外としてペナルティは科せられないのです。

簡単なルールのように感じますが、このルースインペディメントに関してはとてもデリケートなルールです。
ボールの側に小枝や枯葉などがあってプレーの続行を諦めた方が良いこともあります。

アドレスするだけでクラブが触れる可能性があった場合は、想像以上に難しいからです。
2打罰を科せられるので慎重に状況を判断したいものです。

 

ゴルフ場には赤杭や黄杭だけじゃない、青杭や白杭とは?

定義や処置が変わってくるゴルフ場にある杭は、赤杭や黄杭だけではありません。

杭の中でも一番よく目にするのが白杭ではないでしょうか。

白杭は、OB(Out of Bounds)を意味します。

白杭(白ライン)を越えてしまった場合は、そのボールでプレー続行はできません。

ボールがOBであった場合、プレーヤーは初めの球を最後にプレーした所のできるだけ近くで打ち直します。
その際1打罰を科せられます。

3打目がOBとなった場合は、5打目として再プレーすることになります。

しかし日本のゴルフ場では、OBの場合はローカルルールが存在していることが多いです。
OBをした場合の特設ティが前方にあり、パー4であれば、プレーイング4で特設ティからスタートという形を取るゴルフ場があります。

それから青杭(青ライン)は、修理地を意味します。

ボールが、青杭(青ライン)の中に入ったり、スタンスがかかった場合、無罰でホールに近づかない範囲でドロップすることができます。

しかしこの青杭は、改修や季節柄でない限りあまり目にすることはないでしょう。

 

赤杭や黄杭がショットするのに邪魔な時

ゴルフのルールで障害物と言った場合、プレーに影響を及ぼすコース内にある人工物のことを言います。

その中でも「動かせる障害物」と「動かせない障害物」があります。

動かせる障害物とは、特別な労力を要さず、不当にプレーを遅らせることもなく、物を壊したり動かすことが出来るものです。

赤杭や黄杭、青杭はこれに当たります。

これらは基本的にルースインペディメント同様、スイングの邪魔になるものだけでなく
プレーの線上にあるものも邪魔にならないところに動かすことができます。

動かせる障害物であれば、ハザード内でも取り除くことができるのです。

動かせない障害物とは、カート道路やスプリンクラーなどです。

それらがスタンスやスイングの妨げになれば、救済のニアレストポイントから1クラブレングス内でホールに近づかないエリアにドロップして無罰プレーできます。

動かせない障害物であっても、ただ単に打ったボールがぶつかる可能性が高いプレーの線上にある場合は、救済は受けられません。

障害物=人工物と定められていますが、白杭や白ラインの役割をする塀や壁、ネットなどは人工物ですが、障害物になりません。

また白ラインの外にある人工物もルールで、障害物とはならないと定められています。

 

池ポチャからの神業ショット

池ポチャからの神業ショットと言えば、石川遼選手ですね。

誰しも、赤杭や黄杭を越えて池ポチャしたら「はぁ~っ」とため息ついて諦めて、ペナルティを科して救済を受けまよね。

しかし石川遼選手は決して諦めませんでした。

彼が初優勝したマイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメントでの最終日のパー5の18番ホール。

2打目がまさかの池ぽちゃになりました。
でもボールが見えるくらいの浅瀬だったこともあって、池からそのまま打つことを選択したのです。

諦めなかった彼の池ポチャショットはまさかのナイスショット!
ピン側1.5mほどにボールをつけました。

残念ながら2パットをしてしまいバーディーを逃してしまいましたが、見事パーセーブをして初優勝を飾りました。

また、あのタイガー・ウッズも池ポチャからの神業を見せています。

マスターズの3日目、15番ホールのサードショットをピンに当てて、跳ね返ったボールがまさかの池ポチャ!?

打ち直しを選択した彼は、2歩下がって打ち直しショット。
ボールをピンにピタリと寄せました。

ピンに当てるというミラクルショットからの、ベタピンと2回続けての完璧なショットを放ったタイガー・ウッズ、ゴルフの神様降臨と言った感じでした。

 

ゴルフのルールで起こる珍事

ゴルフ場での赤杭や黄杭、障害物のお話をしてきました。

きちんとルールを知っていても、ちょっと気を抜いたり、ちょとした勘違いから大変なことになってしまいます。

トーナメントだけでなく、プライベートや練習を入れると年間でかなりの数のラウンドをこなすプロであっても、ルールに関するトラブルが起こってしまいます。

2016年の11月に行なわれた「伊藤園レディース」ではウォーター・ハザードに関する珍事が起きました。

2日目の18番ホールのグリーン上でそれは起きました。

松森彩夏選手が2オンさせたボールを拾い上げ、ボールをキャディさんに拭いてもらう為に、ポーンと投げたところ、まさかのキャディさんはそちらを全く見ていなかったのです。

それでどうなったかと言うと、ボールは頭に当たり跳ねてからグリーン脇の池へ飛び込んでいってしまったのです。

そのままロストボール扱いになると、1打罰で別のボールをプレーしなければならないので、実質2打罰のダメージになります。

キャディさんは池に入り胸まで浸かりながら必死でボールを探しましたが、結局見つからず、1打罰を科せられた上で、ボールを別なものに取り替えてのプレー続行になってしまったのです。

 

ゴルフはマナーとルールのスポーツ

ゴルフには細かく、そしてたくさんのマナーとルールがあります。

ゴルフをされる方なら分かると思いますが、ゴルフの1打って本当に大きいです。

あんなに飛ぶドライバーも1打、5cmのパットも1打、罰で科せられるのも1打。

その中でもペナルティの1打が一番もったいないですよね。

分からなかったり、はっきりしない場面に出くわしたら、周りにキチンと確認して無駄な1打を科せられないように自分自身で気をつけるようにしましょう!